山椒について

主な品種は、在来種、朝倉山椒、ぶどう山椒です。

全国的には朝倉山椒が一般的で、岡山県でも東粟倉村や佐伯町などで生産されています。

主産地の和歌山県では“ぶどう山椒”が生産されています。

岡山県では、2020年から“ぶどう山椒”の取組が始まっており、現在約120名の方が約2,800本の苗木を定植しています。

なお、大手食品会社からの要望品種は、ぶどう山椒です。

 遊休地が利用できます。

山麓や里山、傾斜畑や段々畑、山道や林道の両側などの遊休地を活用して生産することができます。

県土の約7割(484千ha)を森林が占める岡山県では、山際の荒廃防止のため有効な品目だと考えています。

● 収獲作業が楽です!

収獲は立ち仕事ですが、実山椒を房ごと摘み取る軽作業です。

年齢や性別、農家・非農家を問わず誰もが取り組むことができます。

 イノシシ等の鳥獣害の心配が少ない。

山椒は、鳥獣害の被害を受けにくい作物です。

これは、強烈な香りや辛味成分をきらう鳥獣類が寄り付かないためと考えられています。

● 売り先(出口)がハッキリしています。

7~8月収穫の干山椒は、大手食品会社へ全量販売が決まっています。

“実山椒” の用途・販売方法は、5月収穫の生果(果色は緑色、中の種は白色)と、7~8月収穫の乾果(果色は暗緑色、中の種は褐色~黒色)で異なります。

生果は、佃煮(ちりめん山椒等)で種ごと調理しますが、乾果(干山椒)は種を取り“粉サンショウ”に加工します。

生果から種を取り除くのは至難の技ですが、種が固くなった乾果(干山椒)は乾燥させると実がはじけ、比較的簡単に種を取り除くことができます。

岡山県ではまだ出荷量が少ないので、和歌山県有田川町役場(商工観光課)の公表資料を参考にしてください。

山椒栽培収益モデル(和歌山県有田川町役場)

山椒の栽培について

樹体内に養分を蓄えておくことが重要です。

春先の発芽・開花から収穫期の管理が重要と思いがちですが、秋の施肥によって、翌年の貯蔵養分を蓄えておく必要があります。

また、梅雨明け以降の夏場のかん水も重要です。この時期、干山椒の収穫が終わっているかいないかの時期だと思いますが、1週間雨が降らなければかん水が必要です。

樹体に果実が着きすぎていると、分配される養分が少なくなるため、果樹類では摘果を行い収穫する果実に栄養を集中させます。

山椒では5月の実山椒の収穫が摘果になるので、適度に実山椒の収穫をすることがその後の生育にも繋がると思われます。

寒害による枯死が発生しているため、特に1~3年生の幼木は防寒対策を行いましょう。

極寒期が訪れる前の12月頃に、寒冷紗や不織布、ワラなどで樹全体を覆います。ビニルはお勧めしません。

株元は草や敷きわらが無い状態が望ましく、地際部が最も低温になるので、樹の根元までしっかりと巻くようにしましょう。

3~4月頃に除去、敷きワラは4月になってから行います。

遅霜対策としては、防霜ファンや燃焼法、散水法があります。
燃焼法は、ミルク缶や一斗缶に灯油を入れて燃焼させる方法で、散水法はスプリンクラーなどで園地全体に散水することで気温の低下を防ぎます。

傾斜地では低いところに冷気が溜まるので、冷気が逃げるような対策をしてください。

上記の方法が難しい場合は、遅霜が降る前にしっかりとかん水をしておくことで、土壌の気温の低下を緩和します。

また、耐寒性や耐凍性を高めるため、秋ごろから樹の栄養状態を保っておくことが重要です。

山椒は根が浅いので移植はお勧めしません。

もし移植するなら、時期は極寒期(1月下旬~2月中旬)を過ぎた、3月上旬~中旬くらいに行うのが良いですが、移植後1年目の生育は少し弱くなります。

移植すると根を切ってしまい、その状態で極寒期を迎えると枯れてしまう可能性が高いので、12月や1月は適しません。

移植した場合は、根とのバランスをとるために、地上部も少し強めの切り返しせん定(枝の途中切り)を行います。

根が乾燥しないよう、かん水には注意してください。

 

苗が届く時期が極寒期なので、どの地区でも仮植えがおすすめです。

苗を受け取ってからなるべく早めに行い、「根を乾かせないこと」が重要です。

苗の管理、仮植えの方法等については、「苗が届いてからの管理方法」を参考にしてください。

防寒対策として、苗木にワラや不織布、コモなどを巻きつけるか、もみ殻などで覆ってください。

シロツメクサを植えることで、窒素の供給源になり土がぬかるむことも無くなるのでいいと思います。

ただ繫殖力が強いので、山椒の株元まで繁茂してくると根が浅い山椒との養水分の競合が考えられます。マルチや敷きわらをして株周りに繁茂しないようにするのがおすすめです。

春に植え付けを行いその後発芽しなかったのであれば、今後芽が出る可能性は低いと思われます。

一度枝を切って枯死していないか確認すると良いでしょう。

新しい苗木を植える際には、「栽培方法」に苗木の保管方法、植え方、注意点等を記載しているので、そちらを参考に植付を行ってみてください。

山椒の一大産地である和歌山県では、雌木数本に対し雄木を植えるよう指導されていますが、現在、岡山県では雄木を植えている圃場はなく、野生の山椒の花粉で十分授粉しているものと思われます。

ただ、周りに山が無い場所などではうまく実がならないといった事例も出ているため、今年初めて花椒の雄木を22本導入しました。

来年も入手できるかは未定ですが、成木になっても実がつかない圃場では、雄木の導入を検討してみてください。

一般的に、花粉はミツバチなどの昆虫や風によって運ばれます。確実な受粉を期待したいので、雌木10本の中心に花山椒(雄木)を植え、ミツバチなどに受粉してもらう方がいいと思います。

もちろん風でも受粉するので、風上に定植しても問題ありません。

収穫について

一般的には、果皮が緑色から黄色味を帯びてくる時期が干山椒としての収穫適期と考えます。

8月中頃から果皮が赤味を帯び始め、それ以降もならせておくと樹の負担になるため、6月下旬~7月下旬に収穫することをお勧めします。

実山椒(生果)の収穫適期は、5月の連休明け以降、種が固く(黒色に)なるまでです。

取り遅れて種が固くなると、クレームに繋がります。

5月の連休明けに実が結実していれば、早めに出荷を始めてください。

干山椒のみを収穫しようとすると、樹の負担が大きくなり樹勢が弱まります。
実山椒を収穫することが「間引き」となり、残った実に養分を集中させることができます。

ぶどう山椒の生育ステージで考えると、①1~3年目は実をつけず樹を大きくする、②4~5年目以降は、実山椒、干山椒の両方を収穫することをお勧めします。

成木の収穫割合は、実山椒:干山椒=1:3が目安になります。
(干山椒を乾燥させた場合は1:1)※和歌山県有田川町資料より

出荷・販売について

木が幼木で収獲がわずかしか見込めない時は、パック詰めをして直売所に出荷するか、つむぐ(株)にご連絡下さい。

ある程度の収穫量が見込まれる場合は、大手食品会社への全量販売にご協力下さい。

出荷先の農協にて、専用の500gDB箱をご購入ください。